こちらは仙台の弁護士馬場亨の法律事務所です。今日のテーマは『私傷病・休職・退職』についてです。
労働者が業務外の傷病で欠勤が長くなる場合、就業規則に規定があれば、会社は「休職」を命ずることがある。これは、労働契約を維持しながら、一定期間労務の提供を免除し、その期間は無給とするもので、休職期間中に治癒すれば職場復帰し、労務の提供が可能にならなければ、退職とする就業規則が多い。
就業規則によっては、期間中に治癒しないことが解雇理由となるものもある。
いずれにしても、休職期間を過ぎて、労務を提供できる状態になったといえるかどうかが問題である。
職場復帰が可能な状態ではあるが、元の職種に戻るにはその前に軽い職種に就いてその後元の職種に戻れるというような場合には、そのような試行期間をもうける必要がある場合がある。大きな会社などでは、そのような所までの配慮が求められるようである。
治癒しないまま休職期間が経過することが解雇事由になっている時は、通常解雇であるから、労働基準法20条の解雇制限に服しなければならない。30日前の解雇予告や予告していない場合は休職期間満了の時点での30日分の予告金の支払いが必要である。
就業規則に休職の規定があるのに、労働者が業務外の傷病で欠勤し、しかも、将来、労務を提供できるように回復する見込みがない場合、会社は休職を命じないで、いきなり解雇できるだろうか。
解雇権の濫用とならな限りこれも認められるが、客観的な判断資料の存在が求められる。
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