こちらは仙台の弁護士馬場亨の法律事務所です。今日のテーマは『パワハラ』についてです。
パワハラ。「パワーハラスメント」の略だ。和製英語である。最近はよく聞く言葉となった。誰でも、大方、どのようなことを言うかはイメージできるだろう。しかし、これを定義するとなるとなかなか難しい。
組織の中で強い立場にある者が弱い立場にある者に対して、仕事上、あるいは仕事にかこつけて、ないしは仕事の延長上にある場所や機会に、その人格を否定するような言動に及んだり、必要な範囲を超えて過重な任務を課したりする場合、すなわち権力を利用したいやがらせが、パワハラと理解されている。
しかし、上司のある言動によって苦痛を受けるどうかは、人によって、かなり差のあることであり、限界がどこであるかは一概に言えない。結局、被害を受けた者が苦痛と感ずるかどうかがパワハラの判断基準の構成要素となる場合がある。
パワハラだと指摘された行為者に「いじめ」の意識がなくとも、相手方は常時苦痛に感じていることはある。「冗談の通じない奴だ。」などという言い抜けは通用しない。
いわゆるパワハラが行われた場合、法律的には、過去のものについては「損害賠償」が請求でき、将来も行われる可能性がある時は「差し止め」を請求できることになる。
法的構成としては、民法709条あるいは労働契約上の使用者の義務である「安全配慮義務」「労働環境整備義務」違反による損害賠償となる。
「罵倒・暴言」「侮辱」「暴力」「炎天下での仕打ち的草刈り」「長時間の叱責」「仕事からの排除」「職場における集団的無視」等々、様々な形態がありうる。
会社の経営者としては、日常的に会社の人間関係が悪化しないように細心の注意が必要である。会社が従業員から慰謝料の請求をうけないということだけでなく、事業の円滑な遂行というためにも、労働環境を良好に保っておく必要がある。
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