例によって仙台の3月。風が吹く。彼岸の風はまだ冷たいが、春の訪れに人々は街に誘われるのか、一番町は賑わっている。
休みの買い物を言いつけられ、青葉通りのイオン(元のダイエー)へ自転車で出かけた。
街中のちょっとした距離を移動してあるくには自転車に限る。しかし、最近、歩道に自転車を止めずらくなった。
一頃は自転車が道に溢れ、歩道は狭くなって確かに通行には邪魔であった。しかし、自転車に重宝している者としては、自転車を歩道から閉め出すことには憤慨していた。
無断駐輪の群れに自分の自転車を紛れ込ませたり、駐輪禁止ではあるが、人には目に付きにくいだろうと勝手に決めた場所に置いたりと、自転車の利便性を優先させてきた。
しかし、最近は公共の自転車駐輪場も整備され、歩道上への自転車駐輪はきわめて少なくなり、「みんなで止めればこわくない。」を決め込むことができない状態である。
もうだいぶ前になるが、ダイエー(現イオン)の傍に自転車を置いたところを、警備員に見つけられ注意されたことがある。それ以来、ダイエーでの買い物には、人目に付かない遠く離れた歩道に自転車を止めて、そこから徒歩で往復するようにしていた。
とは行っても歩くとなると、やはり結構な距離になってしまう。
ところが、ダイエーがイオンになったせかどうか知らないが、店舗の前の歩道に駐輪機が設置された。しかし、私は使ったことがなかった。何故なら、自転車駐輪機の使い方が分からない。私の不便は相変わらずである。
そこで、今日は覚悟を決めた。「駐輪機を使ってみよう・・有料でもやむを得ない。」
おそるおそる自転車のタイヤを駐輪機に納めた。はずせなくなると困ると思い、引き出してみると、そのままはずれた。これだと帰りに困ることはないと安心して買い物に向かった。
用を済ませて自転車を回収しようとすると、タイヤは駐輪機に拘束されて取り出せない。焦った。
傍には「精算機」が設置されている。甘くはなかった。私は内心動揺しながら、精算機の説明書に従って操作してみた。金額が0になっている。どうも、操作を間違えたようだ。後ろには精算機を使おうとするらしい人が、そわそわしている。
私は、先にやってもらおうと、精算機の前を離れ、自分の自転車に戻ってみた。念のために、自転車を引くと拘束が解かれていて、自転車を回収できた。どうやら、一定時間内に自転車を回収すると無料らしい。
我ながら、自分の保守性というか、臆病にはあきれる。使ってみれば、どうってことはない。新しいことに躊躇していると変化する環境についてゆけない。・・しかし、今の時代、何から何まで変化が速や過ぎはしないだろうか。
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